『先生の色』〜桜の下で始まった恋は、色を変える〜

足音がして
私の背中で止まった



「色、悩んでるの?」


先生の声



私の鼓動が早くなった



なんで…?

びっくりしたから?



「オレだったら、どぉ描くかな…」


私のすぐ後ろで先生の声がする



アレ…?

また早くなった



「先生は、描かないの?」


私は絵を見つめたまま先生に聞いた



「描かない」



「なんで、ですか…?」



「描き始めると
夢中になりすぎるから…」



声が近い


先生がすぐ後ろにいるのがわかる


緊張して振り向けなかった



どんどん鼓動が早くなる



先生にも聞こえるんじゃないかってくらい
高鳴った



「誰かと同じ…」


先生が少し笑った



え…



私の緊張も解けた



誰かと同じ…

私のこと?



あの風景を一緒に見たのは
先生しかいない



私は感動した

どぉしてもあの風景を描きたい



あの色を出したい



先生の目には、どぉ写った?

私は知りたかった



先生の色を知りたかった



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