縁の下の恋

再会



北京での仕事は、思っていたより遥かにハードなものであった。



新しく工場を立ち上げる前に既存している工場の現状をまず調査した上で新たな技術チームを立ち上げる。


国の違いや環境の違い等々でコミニュケーションが上手く進まない日があり、会議が途中で終わってしまうことも度々あった。



そんな日は、北京の関連会社の要人とプロジェクトチームの責任者とが個別に話し合いを煮詰め直す為の夕食会を開いたりもした。



そんな日は、必ず一理は通訳として参加することになっていた。



北京の中でも有数なレストランであった。



大物政治家や有名人ら多数利用するだけのこともあり建物は贅を尽くしてあった。



一理が一番目に付いた物は…


シャンデリアの下に何故かぽつんとある…ピアノ



一理が見とれていると、



ホールマネージャーらしき人が近付いて来てくれて、教えてくれた。



実は来月に有名なピアニストが演奏に来るらしい…と、
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