戀のウタ
 第2に彼女には私生活と言うものが殆ど存在しないから。

 カイロスマテリアル及びテクノロジーは日本独自のものであり他国にはないものである。

 技術転用後の独占・後々の国益をを考慮し、情報流出を防ぐ為に登用条件には日本国籍であることを第1条件にしている。
 更に機密保持の為、親族を含めた外部との接触に制限・監視が盛り込まれており、同時に素性調査も行われる。

 秘匿性を重視した規約を了承しないと入所出来ないとあって生半可な覚悟のスタッフはいない。
 なのでスタッフは厳選されたものになった。

 さらに彼女の場合は元々私生児であり3年前に彼女を産み育てた母親と死別している。
 親戚も無く、規約上外部との接触に制限のある彼女が『私』の時間を捨て研究に没頭するのは自然の成り行きともいえる。


 最後に第3の理由は彼女にはある事件をきっかけに『人として必要なある時間』が取れない体質になってしまったから。

 これは後に記述しよう。

 以上3つの理由により彼女は侵食を忘れ、外界との関わりを放棄し、プロジェクトの発展に努めている。

 いや、正しくは3つ目の理由によるところが大きいかもしれない。
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