戀のウタ

発端

 夕飯も終わり連ドラも見終って自分の部屋に戻る。


 あとはお風呂に入って明日の宿題と学校の準備をするだけという平日のいつもの夜。

 学校は嫌いではないけど色々と用意をしたり宿題をしたりというこの時間というのは億劫に感じる。


 特に明日提出の数学宿題は憂鬱だ。

 数学が苦手なのもあるが何より担当の吉谷先生の授業が嫌みったらしい。
 出来なかったら小馬鹿にしたようなコメントをするし宿題なんて忘れようものなら放課後に居残りだ。

 去年までは温和な小林先生だったからまだ楽しく出来たけれども。


「…ない。」


 学校の指定バッグをひっくり返してみるが出てくるのは関係のない教科の教科書とノート、それに友達から借りたCDだけ。

 入れたはずなのにと思いながらアタシは今に至るまでの記憶を遡る。


「あ、茜に貸した時だ」


 確か3時間目の授業の終わりに2組の茜に貸して6時間目の前に返してもらってそのまま机に突っ込んだのを思い出す。
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