虐げられた悪役王妃は、シナリオ通りを望まない
なんとかランセルの気持ちを動かす方法……そうだ!

「もし、バルテルについて動いて下さるのなら、私はマリアさんを妻にするのに賛成しますよ」

ランセルは驚いたように目を瞠る。

これまで孤立無援状態でマリアさんを娶ろうとしていたのだ。

名ばかりの王妃とはいえ、味方が出来るのは助かるはず。

「その発言に嘘はないな」

「もちろん」

「分かった、ローヴァインに会おう。彼は王都にいるのか?」

「ええと……確認してみます」

一度バルテルに行くと言っていたけど、その後どうなったのだろう。

ランセルと直接対話する機会を得たと言ったら喜ぶだろうな。

王家の考えを知るには自分が見聞きするのが一番だもの。

その後の対応はロウに任せればなんとかしそうだし、これで進展しそうだ。

あとはなんとか真犯人を見つけ身の潔白の証明をし、出来れば離縁に持ち込む。

国王陛下に直接お願いする作戦は失敗したけど、マリアさんの件でランセルに恩を売れば離縁に関して協力を得られるかも。

動き出した状況に、気持ちが高ぶった。

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