続・隣人はクールな同期でした。

さすがにこんな公での抱擁は経験がないから
別の意味でもドキドキする。

そんなアタシの気持ちとは違い
ジンから伝わってきたのは…


「怖かったよな…
 痛かったよな…
 1人で苦しい思いさせて…悪かった」


耳元で小さく聞こえる弱々しい声。

グッと抱きしめる腕に力が入っているのは
きっと、すごく…
ジンも怖かったのかもしれない。


「ありがとうね…
 もう大丈夫だよ…」


抱きしめられたまま
アタシもジンの背中を撫でるように
優しく触れた。


この状況で
『何を惚気てるんだ』って怒られそうだけど…

でもすごく
ジンが愛おしく感じたんだ。

一緒にいるようになってから
いろんな事があって
亀裂も溝も深くなるばかりだって思ったけど
やっぱりどうしても
この人が好きだから――



気持ちが落ち着いたのか
ゆっくり体を離してくれて…

現実を思い出す。

泉海さん
凝視してるなー・・・


「えーっと…」


何をどう言おうか考えていると
なぜかフッと目の前が霞み
両足に力が入らなくなっていく。


「セツナ…?」


ジンも異変には気付いてくれたけれど
その時にはすでに
意識が混濁していた―――
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