続・隣人はクールな同期でした。

『そっか…』と俯くマリカさんは
肩を小さく震わせながら泣いていた。

気付かれないように隠そうとしているのかもしれない。
グッと堪えているようにも見受けられたし
顔を見なくても
膝に落ちていく涙でわかった。


俺が持っていたハンカチを手渡そうともしたが
躊躇いやめてしまった。


俺がこの人に
なんて声を掛けたらいいのか…
むしろ掛ける言葉が見つからねぇ…。


こうやって傷つけて泣かせるのは
これっきりにしねぇとな。


もう御免だ…


背もたれに体を預け
なんともやるせない気持ちになっていたが
『セツナを助けてくれてありがとうございました』と伝えて
俺はその場を後にし
セツナの元へと向かった―――



―――処置室。


「セツナ…」


ベッド横の椅子に腰掛け頬杖をつきながら
点滴で眠るセツナの顔に触れる。


「どうしてこんなになってたのに…
 守れんかった…」


包帯だらけの体が痛々しく
怖い目に遭った事実を付けつけられ
自分を悔やんだ。


仕事中に電話が入ったときは
かなり驚いた。

風見の件もあって
気まずい状況になっていたから…。






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