ノクターンⅡ
月半ばの土、日に一泊で お兄様一家と 軽井沢にスキーに行った。

樹君達は 何度かスキーをしていて 一人で上手に滑れる。
 

絵里加と壮馬は、初めてのスキー。

智くんは、丁寧に雪遊びから教える。

半日、雪に慣れさせて 午後に板を付ける。


最初は、怖々歩いていた子供達も 徐々に滑れるようになっていく。
 


その夜は、スキー場に隣接するホテルに泊まり 軽井沢の家族を呼び出して 一緒に食事をする。
 

「来週、東京に遊びに行ってもいいかな。」と言う両親に
 
「もちろんです。そうだ、庭に記念樹を植えたいと思っているんです。お父さんに手伝ってもらいたいな。」

智くんが、嬉しい提案をしてくれる。
 
「いいね。庭仕事なら任せてよ。」

嬉しそうに父が言う。
 
「智之、記念樹っていいね。絵里ちゃんも入学だし。いい節目だから。」

お兄様も言う。みんな笑顔で頷く。
 


翌日は、絵里加も壮馬も スキーらしくなっていて 二人の運動神経にみんなで驚く。
 
「ちょっと、俺の教え方がいいって 誰も思わないの?」

と言う智くんに、みんな笑いながら。
 


絵里加は 板をハの字にして 上手に滑れるようになり。

智くんは、二人をリフトに乗せた。

絵里加は、ゆっくりだけど 上手に滑ってくる。


壮馬は、智くんの足の間に挟まれて 降りてくる。

その可愛い姿に、みんなが微笑んでしまう。
 


何回か上から降りるうちに 絵里加は曲がることもできるようになり 得意気な笑顔で私達を見る。

壮馬も、少しずつ一人で滑り 絵里加に追い付く上達振りで。
 
「絵里ちゃんも壮君も、すごく上手になったね。またスキーやりたい?」

帰りの車の中で、智くんが聞く。
 
「やりたーい。」二人は、声を揃えて言う。
 
「そっか。じゃ、来月、また来ようね。」智くんは、嬉しそうに答える。
 


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