ノクターンⅡ
37

翌朝、私はみんなより 少し早く起きて 朝食の準備をする。

今朝の分の食材は、東京から準備してきた。


10人分のサンドウィッチ。

長いバケットに、色々な物を挟む。

野菜はもちろん、スモークサーモン、チキンの照焼き、蟹、卵、チーズ、ツナ、ハム…

簡単な割に、豪華になる。

食べやすい大きさに切り分けていると、樹君が起きてくる。
 

「麻有ちゃん、朝ご飯、何?」

とキッチンに入ってきて、
 
「うわあ。美味そう」と言う。

一切れ手渡すと、嬉しそうに頬張り
 
「美味しい。」と親指を立ててくれた。
 

「樹、早いね。」

智くんと絵里加も 起きてきて テーブルセッティングを 手伝ってくれる。
 
「姫達、毎日 こんな朝ごはん食べているの?」

智くんにつられて、樹君も 手伝ってコップを並べてくれる。
 

「ママのお料理、美味しいからね。絵里加お弁当も、自慢だよ。」

絵里加は、得意気に言う。
 

「いいなあ。うちのお母さん、超大雑把だから。一点山盛り主義。」樹君が言う。
 
「誰が、大雑把なのかな?」

キッチンに入ってきたお姉様に言われ
 
「何でもない。気にしないで。」

と言う樹君に、私達も笑う。
 


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