コンチェルト ~沙織
20

新居の準備が整った4月、二人は、結婚式を待たずに住みはじめた。

優雅で豊かで、幸せな生活。

紀之は、今までよりも 甘く沙織を求める。

二人きりの家だから。
 

「紀之さん、どうしたの。」

食事の用意をする沙織を、後ろから抱きしめる紀之に言う。
 
「いいの。二人だけだから。」

そのまま誘われてしまうことも、幸せで。
 



毎日一緒にいて お互いを知れば知る程、愛が深まっていく二人。

幸せな余裕が、二人を輝かせていく。

沙織は穏やかな美しさが増し、紀之は責任感が頼りがいに変わる。
 


週末は 結婚式の準備に ご両親を訪ね 温かな時間を過ごす。

二人の変化に 満足そうに微笑むご両親に、紀之と沙織も微笑み合う。
 

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