twilight sinfonia
「どんな感じ?」


瀬那が帰ってくるまでに2個しか増やせてないトラック。
髪を拭きながら帰ってくる。


「ピアス消毒する?」
「あ、したい……」


画面に視線を戻して作業を進める。
次……何入れよう。あんまり変な楽譜作っちゃあれだよね?


「勝手に出すよ」
「うーん……」


空返事。


何これ、えぇ何これ。
ハモリの旋律が事故った。


「……ううううう」


詰んだ。
システムがわからん。
何このソフト、ほんとに詰みなんだけど。


「どした?」
「サブのメロディが行方不明」
「あ?お前の問題?ソフトの問題?」
「ソフト!私ちゃんと打ち込んだし」


瀬那は後ろから私の持つマウスに手をかぶせて、操作する。



……おい、お前はモテ男か。やり手か。
恥ずかしいんだけど、ねえ!



「ああ、設定変になってる。直しとけばいい?」
「ありがとう」
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