twilight sinfonia
キュッと、唇を結んだのは、輝星。
口を開いたのも、輝星。


「自分が、瑠南さんの隣にいていいのかって、本当に思ってるんすか?」
「当たり前だろ。なんでも1人で卒なくこなして、色んな才能あって、今の瑠南には今の俺なんか、必要ないんだよ。それに俺、瑠南のこと考え出したら、他のこと考えられねーし。


……別れてからの方が、うまくいってる気がするんだよ、ほんと」


「それって、逃げてるだけなんじゃないんですか?」



少し、声が大きい。
起きたらどうする気なんだよ。
……落ち着け、お前も、俺も。


「こーら、輝星。そういうこと言わない。
好きな女の子に肩入れする気持ちはわからなくはないけど言い過ぎは大人気ないよ」
「……子どもだし」


敬語は使うものの、俺らとちゃんと対等に話そうとするところがかっこいいわ、ほんと。
まだ中1でこの世界に入ってくる決断をしたのも、ちょっとびっくりしてる。
行き当たりばったりで、瑠南についてきたこいつに、とことんビビってる。
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