twilight sinfonia
《6》
「お疲れ様でした〜」
「ありがとうございました〜」


午後3時。
朝からぶっ通しの撮影をようやく終えて、スタジオを出た。
深優と2人で楽屋まで動く。
最近は仕事が多くてあれだから、twilightは出来るだけ楽屋は一緒。男女混合であろうとも。いつでも打ち合わせできるように。
カーテンがなくても、後ろ向いて着替えましょうシステムになってる。


だから今日も楽屋は一緒。
2人で楽屋に戻って着替える。


「快斗〜。背中のチャックが無理〜」
「はいはい。ん、後ろ向いてみ?」


深優はくるっと振り返ってワンピースのチャックを向ける。
俺はなんの躊躇いもなくそのチャックを下ろして、できた、と声をかけた。


「ありがとう〜」


で、なんの躊躇いもなく脱ぎだす深優。


……幼なじみの力ってすごいなって思うよ。
本当に、適当っていうか、意識してないっていうか。
いや、意識はしてるんだろうけどそれとこれは別というかもう……なんだか悲しい。
< 76 / 393 >

この作品をシェア

pagetop