熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします
 

「というか、初代の頃からつくもに仕えてるぽん太さんなら、どんなおもてなしで薙光さんたちが満足してきたか誰よりも知ってるんじゃないですか⁉」


 盲点だった。

 考えてみればまずは八雲よりもぽん太に、そして黒桜に確認するべき事案だったのだ。


「そりゃあ知ってはいるが、先程八雲も言っていた通り、その時代ならではのもてなしこそが、御一行の求めているものなんじゃ。だから昔のことを真似しようとしたって無理だら」


 けれど花の質問に、ぽん太が再び息を吐いて瞼を閉じる。

 そのぽん太の答えに、花はまたシュンとして肩を落とした。

 ならばやはり、頼みの綱は黒桜が持っている宿泊者情報か──と考え顔を上げれば、黒桜は苦笑いを溢して花の思いに答えてくれた。

 
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