メヌエット ~絵里加

子供達みんなが 幼いなりに自覚と責任を持って 前を向いている。

自分達が与えられてきたものを 守って 伸ばしていく為に。

まだ、未熟だけれど その姿勢と覚悟に 大人達は感動していた。
 

楽しくて 温かくて優しい団らん。

絵里加達が来たことで 灯が点ったように明るくなり 幸せな時間。

やっとみんな、部屋に引き上げる時、


「俺、タッ君達と寝るから。絵里ちゃん 部屋使っていいよ。」

階段を上がると 壮馬が言う。
 

「いいよ。絵里加 ママと寝るから。」

慌てて、絵里加が言う。
 

「大丈夫。遠慮しないで。」

壮馬は そう言って 樹君達のドアに手を掛ける。
 

「壮馬、ありがとう。」

そう言う健吾に 振向いて親指を立てて。

健吾と絵里加は 少し照れながら 同じドアに消えていく。


そんな兄弟の様子を 父と母は 満足そうに見つめる。

自分達の育てた子供達。


思った以上に 優しくて 思いやりがあって。

良い子に育ってくれた満足に、胸を熱くする。
 
 


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