メヌエット ~絵里加

カフェテリアから出ると、健吾達が立っていた。

絵里加は、健吾を見つめて微笑む。
 

「健吾と絵里加をお祝いして、今度みんなで遊びに行こうよ。」

裕介が絵里加達に言う。
 
「いいね。絵里加達 遠慮して 学校ではベタベタしないから。私達といる時は イチャつかせてあげようか。」

ひとみの言葉に、裕介達は “いいね” と笑う。


絵里加は そっと健吾を見つめる。

健吾は苦笑しながら 缶コーヒーを一口飲み。

絵里加に “飲む?” と言う目を向ける。

絵里加が小さく頷くと、そっと缶コーヒーを手渡す。

ニコッと笑う絵里加に、優しく頷いてくれる。
 


裕介達とひとみ達が 明るく盛り上がっている中の 小さな幸せの瞬間。
 

「あー。ケンケン、ずるい。絵里加も。」

陽子に見咎められて、照れる二人。
 
「陽子、妬くなって。なんなら、俺のコーヒーあげようか。」

真也が飲みかけのコーヒーを差し出す。
 
「やだ、いらないわよ。」陽子は笑う。
 

「今も絵里加の のろ気聞きながら ランチしていたのよ。もう熱くて。」亜弥が言う。
 
「こっちも同じ。まあ、しばらくは許してやって。」

裕介に言われて、みんなで頷く。
 

「そうね。純情な絵里加姫の初恋だから。大目にみましょう。」陽子も笑う。

絵里加は何も言えずに、ニコッと微笑んでしまう。

幸せが溢れた 素直な笑顔は 絵里加をキラキラと 輝かせる。
 

「あー。今の絵里加、超可愛い。」

亜弥が言うと、健吾はフッと笑い、
 
「でしょう?」と言った。


そして、裕介達に小突かれる。

健吾も絵里加も 仲間に受け入れられた安心で 笑顔が弾けていた。
 


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