僕の1番大切な人【リニューアル版】
私立の中学校、高校では、定期テストの度にトップになっていた。


特に、がむしゃらに何かを頑張ってたわけじゃないけど…


なぜか、何でも器用にこなしていた。


比較的明るい性格だったから、友人も多く、自分を支えてくれる人達に、いつも守られていた。


女子からもらうバレンタインチョコの数も、学年では一番多かったと思う。


正直、大きな挫折は…1度もなかったんだ。


ただ、今の自分には、そんな過去のことなんて、どうでもよく思える。


何の苦労も無かった順風満帆な人生を、全く何の意味もないようにさえ感じていたんだ。


僕は…


絶対に入ってはいけない場所に入りこんでしまった。


深い迷いの中に…


でも、ここからは…


絶対に、抜け出せない。


こんなにも…


誰かを愛してしまったから。


後戻りは、もう、出来ない。


僕は、このどうしようもない迷いの中で、もがき苦しむ事しか出来ないんだ。
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