僕の1番大切な人【リニューアル版】
『さあ、入って。今日は凌馬(りょうま)君の好きなサンドイッチにしたから』


『毎日ごめんね、ありがとう』


『何言ってるの、そんなこと全然気にしなくていいから、さあ、早く入って』


姉さん…


本当に、優しいね。


僕は、その笑顔に…


心から…


やられてしまうんだ…


中に入ると、玄関には、天窓から明るい日差しが差し込んでいた。


リビングはとても広く、奥のキッチンで、姉さんは朝食の準備をしてくれている。


この家は、シンプルだけど、姉さんの趣味の良さがうかがえる、とても居心地のよい場所だ。


ダイニングテーブルに腰かけると、兄さんが2階から降りて来た。


『おはようございます』


姉さんは、年上の兄さんに対して、敬語で挨拶をする。


『ああ、おはよう。凌馬、相変わらず早いな』


『兄さんおはよう』


『お前ももう3回生だろ、ちゃんと就職は考えてるのか?』


まるで父親みたいな言い草だ。
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