もう一人の住人

今日はすごく楽しかった。彼と付き合って3ヶ月記念日。彼には私の買い物付き合わせちゃったけど楽しんでくれたかな、ショッピングモールを歩き回ったけど私は一日中楽しかった。彼は優しく付き合ってくれた。

2人とも歩き続けたせいで足はパンパンに疲れていた。クタクタで帰路につく。

彼と一緒に私の部屋に帰ってきた。鍵を開けて部屋に入る。もう、直ぐにでも荷物を下ろしてソファに腰をかけたいと思った。

そんな中愛犬のマロンにお出迎えされた。今日も相変わらずキュートだ。あまりの可愛さに今日の疲れも吹っ飛んでいく。

マロンは部屋中を走り回る。ご機嫌だ。彼氏が来てもあまり鳴きはしない。お利口な子だ。

「かわいいね」

「今日は機嫌がいいね、全然吠えないし」

彼は歩き回るマロンをつかまえて撫で回す。マロンも嬉しそうだ

私は台所にマロンのエサを取りにいった。皿に盛り付けて。マロンに渡す。一日留守にしてしまったので少し多めにあげた。

マロンはまだ走り回る。

「あれ、食べないね」

「お腹減ってないんじゃない?」

「最近あんまり食べないんだよね、元気なんだけど」

マロンはまだ元気に走り回っていた。私は最近のマロンの食の細さが少し気になったがテレビのリモコンを探した。

テーブルの上にある。いつもと違う場所だ。

「あれ?ここに置いたっけ?」

「それは分からないよ」

彼に聞いても朝は一緒にいなかったのだから分かるはずない。私もうる覚えだ寝ぼけていつもと違う場所に置いたのかも知れない。

テレビをつけてみた。

テレビでは夜のニュースがやっていた。どうやらこのアパートの近所で殺人事件があったらしい。物騒だなと思ったがどこか他人事に感じて危機感は無かった。

「これ近くね」

彼氏が言った。

「そうだね、怖いね」

「物騒だな、戸締りちゃんとしないとね」

彼氏は心配してくれていたが私はそんなに危機感は無かった。テレビの中で起きてる事が何処か他人事であんまり現実味が無かった。

私は小腹が空いたのでパンを焼くことにした。袋から2枚取り出してトースターに入れて焼けるのを待つ。

「食べる?」

「食べる」

一枚は彼氏にあげることにした。

袋入りのパンの枚数が少し減っている気がする。

気のせいだろう。

テレビでは明日の天気のニュースが流れてる。明日は雨らしい。仕事には傘持ってかないといけないな。

「明日雨だって」

「そうらしいね、嫌だね」

「最近はずっと晴れていたのにね」

「まあ、しょうがないよ」

パンは勢い良く焼きあがる。

「焼けたよ」

「イチゴジャムでいい?」

「うん、なんでもいいよ」

私はイチゴジャムを冷蔵庫から取り出して熱々のパンに塗りたぐる。ジャムがパンの熱で溶けてキラキラ輝いて宝石のようだ。

「はい」

「ありがとう」

彼と1枚づつかじりついた。やはり焼きたては美味い。私達の小腹は満たされていった。

腹が満たされるとどっと眠気が襲ってきた。
目を空けようともまぶたが重い。

私はうつらうつらしていたが寝る前にどうしてもシャワーを浴びたかった。しかし睡魔に勝てそうに無い。

そんな私の欠伸につられて彼も目をこすっている。

「先にシャワー浴びちゃうね」

「うん、いってらっしゃい」

どうにか私は睡魔に勝ち浴室に入った。

シャワーを浴びる。暖かい。気持ちが良い。




浴び終えて髪を乾かす。だいたい30~40分経過しただろうか入った時間は覚えていない。

私がパジャマに着替えて部屋に戻ると彼は眠りについていた。

余程疲れていたのだろうその寝方はベットを横に体が少しはみ出ていた。

彼はギリギリまで睡魔と戦ったのだろう。
可哀想にこのままでは寝違えてしまいそうだ。そんな姿さえ愛おしいと感じた。私はスマホで写真を一枚撮った。

私は彼を起こさないように隣に寝ることにした。彼の匂いがする。幸せだ。

私は少しづつ目を閉じて眠りについた。






「何?」
私は真っ暗中シャワーの音で目を覚ました。
一瞬驚いたが今日は彼氏が泊まりに来ていた。薄らとした意識の中で少しづつ理解した。きっと彼氏だろう。

そう思ったがこんな時間にシャワーを浴びるだろうか脳裏に疑問が過ぎる。

混乱する頭だが現状を理解するまでに時間はかからなかった。

彼氏は隣にいる。隣で寝ているのだ。私は怖くなり彼氏に抱きつく。浴室には誰がいるのだ。誰もいるはずが無いのに何故。

体はブルブルと震え出す。目は少しづつ闇に慣れてきていた。

眩しい。浴室の扉が開き照明が零れる。姿は逆光でよく見えない。

「あれ起こしちゃった」

浴室から出てきたのは彼氏だった。

「え、そいつ誰?」

隣には知らない男がいた。
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