【女の事件】豚小屋

第9話

夕方5時頃のことであった。

ところ変わって、飯田市北方にあるゆういちろうの姉夫婦が暮らしている家にて…

「おばちゃん、おネギ摘んできたよ。」
「ありがとう…おネギをおとうふのおつゆの中にいれるよ…しゅうさくはお手伝いできるようになったからえらいわね。」
「うん。」

しゅうさくは、四角の鉢植えにうえられている長ネギを摘んだ後、台所で晩ごはんのしたくをしているゆういちろうの姉のもとへ持っていった後、居間で一緒に晩ごはんのしたくをしていた。

それから数分後のことであった。

よしえとゆういちろうの姉は、晩ごはんの支度を終えたので、お話をしていた。

ゆういちろうの姉は、ゆういちろうがこの最近電話をしてこないのでどうしたのかと思って不安になっていた。

義兄も『ゆういちろうはいつになれば仕事の引き継ぎが完了するのだろうか…いつになれば飯田へ帰ってくるのか…』と思って、いらだちをつのらせていた。

義兄は『実家へ帰って来た時に備えて再就職先の事業所も決まっていると言うのに…』とブツブツと言ってばかりであった。

よしえは、もしかしたら暮らす場所を間違えたのではないのかと思うようになった。

ゆういちろうの姉は、不安げな声でよしえにこう言うた。

「よしえさん…」
「義姉さま…」
「よしえさん…ゆういちろうとは連絡がとれないの?」
「えっ?連絡?」
「もしかしたらと思うけど、ゆういちろうはうちへ帰ってくることがイヤだから、家に電話しないのではないのかと…思うけど…」
「えっ?そのような話はゼンゼン聞いていませんわ。」
「そう…だったらいいけど…」
「義姉さま…」
「よしえさんの言うとおり、ゆういちろうの気持ちがまだ飯田へ帰ることに向いていない部分があるととらえた方がいいみたいね…ああ…ごめんなさいね…晩ごはん前だと言うのに…」

ゆういちろうの姉は、このあと義兄のおふろのしたくをした。

ところ変わって、豊田市小坂本町にあるあやみ重朝夫婦が暮らしている家にて…

重朝は、職場の新入りさん3人を家につれてきて、かけマージャンをしていた。

あやみは、ものすごくイヤな表情で重朝をにらみつけていた。

どーして毎晩毎晩、職場の新入りさんたちをうちに連れてくるのかしら…

ダンナは、職場の新入りさんたちの方が大事だから…

家庭のことは二の次三の次だと言うことね…

重朝と新入りさんたちがかけマージャンに夢中になっていた頃であった。

時は、8月6日の深夜0時過ぎのことであった。

「イヤ!!離して!!離して!!」

事件は、あやみ重朝夫婦が暮らしている家から700メートル先の路地で発生した。

悲鳴のヌシは、重朝の職場の新入りさんの22歳の男性従業員さんのお姉さま(26歳)であった。

彼女は、あやみ重朝夫婦の家にいるきょうだいを迎えに行く途中であった。

その時に、ゾンビの覆面をかぶった男5人に無理やりミニバンにのせられて連れ去られた。

それから8時間後に、恐ろしい悲劇があやみ重朝夫婦を襲った。
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