芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



「抱きつくのいいけど、あたってるよ」


「…?」



「やわらかいの」


「ぅ……あ……っ」


なんのことを言ってるのかと思ったら。


思考をグルグル回転させて、ようやく事態に気がついてパッと悝世から離れる。



「無意識とかタチ悪いよ」


「ぅ、ご、ごめんなさい……っ」


雷に気を取られてまったく意識してなかったせい。



「フツーに触ったら怒るくせに」


「そ、それは怒るよ…っ」


怖さよりも今は恥ずかしさが勝って、下を向いて部屋着の裾をくしゃっとつかむ。



「ほんと俺の理性いつ死んでもおかしくないよ」


「……っ?」



「手出してないんだから褒めてほしいくらい」



そう言って、わたしの手の上にそっと自分のを重ねてきた。


パッと顔を上げてみたら、いつもより少しだけ熱を持った瞳でこっちを見てる。

< 135 / 359 >

この作品をシェア

pagetop