芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。



……間違えた。

口にしてハッとしたけど、もう遅くて。




一瞬、悝世の表情が


悲しく……笑ったように見えた。




そしてひとこと



「……そ。んじゃ、これからはもっと幼なじみらしくするから」




ずっと一緒にいた時間は長くて。
誰よりもお互いのことを理解してるはずなのに。



気持ちがこじれてしまったら、それをもとに戻すのは他の人たちよりきっと難しい。



……幼なじみなんて、近くていいように見えて、全然そんなことない。




「……おやすみ、依茉」



いつも抱きしめてくれるはずなのに。



今日だけは……


大きな背中が向けられて。



なにも言えなかったわたしも同じように悝世に背を向けて。



初めて……同じベッドでお互い背を向けて眠りに落ちた。

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