芸能人の幼なじみと、内緒のキスしちゃいました。




「それだけ神崎くんの気持ちが本気なんだから、いい加減依茉も素直になって早く付き合っちゃえばいいのにさ〜」


「うぅ……そんな簡単じゃないもん……」



昔と今じゃ、わたしと悝世は住む世界が違う。


わたしは昔と変わらないけど、
悝世はすごい世界にいるから。



きっとわたしなんかより可愛いモデルの子と撮影で一緒にもなるだろうし。


あれだけルックスがよかったら、ファンの子たちだって追いかけるだろうし。



もし悝世が、わたしなんかよりも大切な存在を作ってしまったら……簡単に今の関係が壊れちゃうのがものすごくこわい。



雑誌に載って活躍してる悝世を見るたびに、嬉しくないわけじゃないけれど。



同時に……こうやってたくさんの人の目に触れることで悝世が色んな人に知られて、どんどん遠い世界の人になっていくような気がして。


……幼なじみのわたしなんて、いつかファンの子たちに埋れて悝世の目から映らなくなっちゃうんじゃないかって不安ばっかり。

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