シンフォニー ~樹

絵里加が 小学校に入学して 毎朝、樹と翔は 絵里加と一緒に通学した。

小さな絵里加は、混んだバスに戸惑いながら、樹達に笑顔を見せる。

その健気さが愛おしくて、
 
「姫、大丈夫?鞄もってあげようか?」

乗客に押される絵里加に声を掛ける。
 
「平気よ。」と微笑む絵里加。


意地らしくて可愛くて。

5年生の樹は、絵里加に 淡い恋心を持ち始めていた。


“タッ君” と無邪気に懐いてくる絵里加を、抱いてさらいたいと思った。
 


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