シンフォニー ~樹
28

週末だけでなく、朝の授業が ゆっくりの日は 前日 樹の家に泊まる恭子。

夜、熱く愛を交わしても 翌朝は早起きして 母と朝食の用意をしている。
 

「おうちなら、寝坊できるのに。樹の朝ごはんだからって。恭子ちゃん、本当に健気で可愛いわ。」

若い恭子が 一生懸命 樹を愛して 尽くす姿は みんなの心を温かくする。
 

「恭子ちゃんのお母さん 寂しがっているでしょう。卒業まで、あと3年あるのに。うちで取っちゃって。」

週の半分くらいは 樹の家で過ごす恭子に お祖母様が言うと、
 

「母は、ホッとしています。それに絵里ちゃんが 直々 行ってくれるから。」

恭子が 家族と仲良くすることに 安心する樹を見ることが 恭子は嬉しかったから。
 

「恭子ちゃんも 絵里ちゃんも 若いのに偉いわ。」

母が言うと、お祖母様は、
 

「沙織ちゃんも麻有ちゃんも そうだったから。あなた達も偉かったわ。」

と嬉しそうに言った。
 


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