如月くんは私をひとりじめしたい

これからも東雲くんと友達でいれるんだ。

恋愛でゴタゴタした後って良いことないよって、誰かが言ってたけど、案外違うのかな。


「安藤さん!ちょっと!」


ふう、と一息ついた有村さんが来た。

多分だけど、如月くんを制御するのが大変だったのかな。


「あなたのお陰で如月が暴れたんだからね!」

「ごめん…」

「別にいいけど。それより、東雲と話せた?」

「…うん」


有村さんは私の赤くなった目を見て、安心したように微笑んだ。


「…優しいよね」

「え?」

「なんでもなーい!まあ、これからも3人で楽しく過ごしましょ」

「うん!」


私は有村さんと教室に戻った。

そういえば東雲くんはいいのか、と思いながら。



「……如月にしては気のきいたことするんだな」

「まあね。どうせならとっとと振られて欲しかったし」

「ふっ、お前らしいな。それが本心かは知らないけどな」

「は?そのお喋りもいい加減にしろよ?僕的には小春ちゃんを泣かせたのは許せないけど、そこは僕の寛大な心で許してやってるんだから」

「はいはい、そうだったな」


素直じゃないな、と軽く笑った。
< 154 / 226 >

この作品をシェア

pagetop