僕が愛しているのは義弟



 いろいろあった夏休みが終わって二学期が始まった。


 今日は始業式。



 オレたち生徒は教室にいた。


 戸が開く音がして担任の先生が入ってきた。

 そして、その後ろから一人、見たことのない生徒が入ってきた。

 その生徒を見て教室内が少しざわざわとした。

 先生は「静かに」とみんなに言った。


「今日からこのクラスで一緒に学ぶ、佐野遼祐くんだ。佐野、みんなに挨拶を」


「佐野遼祐です。よろしくお願いします」


 佐野遼祐……。

 印象は爽やかな感じた。

 話し方もはきはきしている。


 転校生が挨拶をした後、女子たちがまたざわざわし始めた。

 きっと、この転校生があまりにも爽やかでイケメンだからだろうか。

 先生は「静かに」と言って女子たちを静かにさせた。


 そして先生は、その転校生に、


「……じゃあ、あそこの席に」


 先生が転校生に言った席はオレの隣の席だ。


「はい」


 その転校生は爽やかな返事をした後、オレの隣の席に向かっていた。


「成瀬、隣の席だから佐野にいろいろと教えてやってくれ」


「はい」


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