僕が愛しているのは義弟



 ……う~ん、なんだ? これも植物か? 

『かぜ』『しん』『こ』……。

 これが組み合わさると、どう読むんだ?

 ……もうお手上げだ。教えてくれ、葵。

 オレは【お手上げ】と送った。

 すると、すぐに葵から返信がきた。


【ヒヤシンス】


 ……ヒヤシンス。……そうか。



 オレは葵とメールではなく直接話そうと部屋を出た。

 すると葵も同時に部屋を出ていた。


「葵……」


 オレは葵の顔を見た。葵もオレの顔を見ていた。


「隼翔兄」


 葵は、いつも通りのやさしい笑顔を見せた。


「一緒にテレビを観よ」


 オレは葵のその言葉が嬉しかった。


「ああ、観よう」


 そしてオレと葵はテレビを観にリビングへ向かった。


 そうしてドタバタではあったけど、最終的には穏やかに今日という日が過ぎていった。



 
 
< 66 / 354 >

この作品をシェア

pagetop