恋泥棒の犯行予告

毎年恒例、花火3000発。

色とりどりの花火が空に浮かんでは消えて、浮かんでは消えてを繰り返す。

どうせここで見られるのも今年が最後だし。

圭斗の手を引いて人混みから遠ざかっていくと、会場に始まりを告げるアナウンスが入った。


「六花、こんなとこで見えるの? 誰もいないけど……」

「私が何年この花火を見てきたと思ってるの。ここが一番の穴場なんだよ。誰も知らないけどね」

< 111 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop