恋泥棒の犯行予告

途端、


「六花、声はちゃんとかけなよね。何かと思ったじゃんか」


突然背後から大きな手のひらで目をおおわれ、そのまま部屋に押し込められた。

腕の中に閉じ込められるも、全く苦しくはなく昔の優しさが宿っている。

やり方は少々荒っぽくなっているけど。


「海兄…離して」

「ごめんごめん。こわかった?」

「ちょっとだけ」


あはは、と日世を大人にしたような顔が眼前で笑った。

少し垂れた目尻には色っぽくホクロがあって、前髪を長めに残したオシャレな髪型になっている。

見るたびにかっこよくなってる気がするんだよなぁ。

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