恋泥棒の犯行予告
「あれ? 暁奈前髪切った?」
真っ黒い艶のあるボブカット、その前髪がほんのりといつもより高い位置にあるような気がする。
「そうなの! いやー、やっぱりさすがだね六花は。実は3ミリ切ったの」
「うわービミョー…。気づいた私天才だわ」
「だね。おっと、チャイム鳴った。…そういや六花、」
立ち上がって自分の席に戻る間際、私の肩に手を置き暁奈は言った。
「アンタは爆睡してたから知らないだろうけどさ、明日の化学小テストあるよ」
なぜそれを。
先に言ってくれなかったのだろうか。