脳内毒舌侍③~番外編~
皇 千璃と 桐生 凉の不毛な会話
﴾皇 千璃side﴿
ー朝の休み時間ー

何やら疲れた顔をした、私の友達 桐生 凉が、昨日あった事を話してくれた。

クズでマゾな王子とかくかくしかじか。

「クズマゾ王子ww」

「笑い事じゃねぇって」

「つーか 凉、交際は成人してからなんて、そんな絶滅危惧種みたいな考えの奴ってまだ居たんだね~」

私は皇 千璃。
数少ない友達の凉と居ると気楽に過ごせる。
共通点も多い。
・剣道経験者
・恋愛、お洒落に興味なし
・落語好き
……まあ、こんなもんだな。

「まあ、ハッキリ言って あんま他人とベタベタすんの好きじゃないし」

あ、それ分かるわ~

「千璃は平気なんだけどねぇ」

「へへっ、照れるぜ」

「孤立って怖いかねぇ?」

小説を開いて、凉は訪ねた。
いじめの内容の本、私が貸してるやつ。

「怖くなくない?孤立なんて言っちまえばうざい奴に絡まれることもないし、めっちゃ気楽じゃんw」

「だよな。この本、いじめっ子が主人公を無視してんだけど、むしろその方がよくない?」

「言えてるわ、それ。あとさ、その本、疑問なんだけどさ」

「ん?」

「主人公がいじめっ子に体育館裏に呼び出されるシーンあるじゃん?」

「あー、さっき読んだわ」

ペラペラとページをめくる涼。
私も凉も、刺激的で毒っぽい内容の本が好き。恋愛小説とかは、ちょっと無理だけど。

「なんで主人公さ、ホイホイ誘いに乗るんだろーね」

凉にそう言い、にまっと笑う。
この表情をすると、凉も笑ってくれる。
『悪人面w』と。
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