如月の空の下、光る君を見つけた。
「おい、まだいたのか?!」



今更ながら先生登場。



「すみません。帰ろうと思ったら停電になって怖すぎて2人で大泣きしてたんですぅ」


「気づかなくてごめんな。雨も大分止んで来たし、今のうちにちゃっちゃと帰って風呂入って勉強な!」


「らじゃっ!」



警官ポーズで締めくくった。



「さ、帰ろ詩央くん」


「あぁ」



詩央くんが望む高校生活を送れるように私は精一杯お手伝いさせて頂くことを密かに誓います。


この雷のように激しく、鳥のようにうるさい私ですが、アイドルヲタクとして如月陽翔の応援を引き続き行いながらも、片桐詩央くんの青春を一緒に作っていこうと思います。


私のモノにならなくていい。


私の推しがいつまでも幸せであることを私は空に願いたいと思う。


雨空よ、月の美しい空を早く見せておくれ。


廊下の窓から見える藍色と黒の混ざったような淀んだ色の空に私は願いを飛ばした。


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