如月の空の下、光る君を見つけた。
長い人生の中のほんの数ヵ月を共にしただけで、結局高校生らしいこともさせてあげられなかった私にもうこれ以上言うことはないだろう。


そう思って返信は期待していなかった。


しかし、数時間後スマホをチェックすると返信が来ていた。


私は何度も何度もそのメッセージを読み返した。



"楽しかった。本当にありがとう、ことり"



卒業式で号泣して涙なんて残っていないと思っていたのに、どうやらまだ温存してあったらしい。


私は布団に顔を埋めながら大声をあげて泣いた。


母に怒られるかと思ったけど、隣の部屋から笑い声が聞こえてくる。


母は平気なふりしてテレビを見て笑っているみたいだ。


私は思う存分泣かせてもらう。


悲しくて切なくて寂しくて、でも嬉しくて嬉しくて嬉しくてしょうがないこの気持ちを涙に全部詰め込んで洗い流そう。


詩央くん...


やっと名前を呼んでくれたね。


ありがとう。


ずっと応援してるよ。


そして、ずっと大好きだよ。


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