転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー

「ニーナ、時間だ。

サクラとハイメも行くよ。」


時間になり、アイリーンはハイメの手を引き、ヴァルテリはサクラの手を引きながら会場入りした。

そしてさくらとハイメは自分たちにあてがわれた席へ着席し、アイリーンとヴァルテリは祭壇の前まで歩いた。

祭壇の前には現国王夫妻が待っており、順番に国王、王妃となる覚悟があるのか確認した。

「ヴァルテリ・アルヴァドス、汝は国王となり、いかなる時でも民のことを守ることを誓うか。」

「はい、誓います。」

ヴァルテリが自信を含めた声で返答すると、ルーメンティーはヴァルテリに王冠とマントを付けた。

ヴァルテリがその場にしゃがむと、次にアイリーンが立ち上がった。

「アイリーン・アルヴァドス、あなたは王妃となり、国王ヴァルテリを支え、ともに保を守ることを誓いますか？」

「はい、誓います。」

カルロティーはアイリーンにティアラとマントを付けた。

アイリーンも先ほどと同じようにルーメンティーとカルロティーの前に膝をつくと、ルーメンティーが全体に向けて言葉を発した。

「本日をもち、私は国王の位を退位した。明日からはヴァルテリとアイリーンがこの国を治めることになる。

このふたりになら私は安心して国のことを任せられる。
皆も期待してほしい。

このふたりが今後どのような国を築くのか。

そして、ふたりに期待しよう。
この先、国を良きほうに導くことを。」

言葉を言い終わるとルーメンティーとカルロティーは最前列の席へ戻った。

「私は今日、父上からこの国を託されました。

皆様にこの場で誓います。
私、ヴァルテリ・アルヴァドスは妻、アイリーン・アルヴァドスとともに次代の子どもたちへこの素晴らしい国を引き継ぐことを誓います。」

ヴァルテリも誓いの言葉を言い終え、これをもって国王の任命式は終了した。

そしてそのまま、王太子の任命にうつった。