未来は霧のなか

卒業式以来 亮太とは、一度も 会うことがないままだったのに。 
 

その日から 時々、亮太はホームにいた。
 

「また、寄り道して。」

亮太を見つけると、私は 立ち止まる。
 

「お前だって。遊んでいたくせに。」

そんな風に話す二人は 中学生の頃と変わらない。

私達は 他愛のない話しをしながら 一駅だけ一緒に帰る。
 

「じゃあね。」

と改札口を出て 別々に歩き出す。


ただの元同級生のまま。
 
 


< 41 / 136 >

この作品をシェア

pagetop