上司は優しい幼なじみ
「俺も。俺自身が兄弟いなかったから。陽菜がいてよかった」
そこから車内は思い出話で盛り上がった。
幼少の頃の記憶ってよく薄れがちだけど、不思議とたっくんとの記憶は鮮明に覚えている。
共通の話をしていると、たっくんが引っ越して離れた後のことも気になり始め、話題転換しようとしたところで、いつの間にか私の住むアパートに到着していた。
「あ、もう着いたんだ。あっという間」
「そうだね。とりあえず陽菜、初日お疲れ様。ゆっくり休んで」
シートベルトを外し、助手席のドアを開ける。
降りる手前で振り返り、「ありがとう。お休み」と言い車から出た。
せめてたっくんを見送ろうと立っていると、その様子を見たたっくんが口パクで何か伝えようとしている。
そこにジェスチャーも交わり、「先に入ってな」と言われていることに気づいた。
ただの幼馴染に対して、いろいろと気を利かせてくれた。
すっかり素敵な大人になった彼の部下になった私。
これから始まる生活に胸を躍らせながら、「ありがとう」とつぶやいて車に背を向けた。
そこから車内は思い出話で盛り上がった。
幼少の頃の記憶ってよく薄れがちだけど、不思議とたっくんとの記憶は鮮明に覚えている。
共通の話をしていると、たっくんが引っ越して離れた後のことも気になり始め、話題転換しようとしたところで、いつの間にか私の住むアパートに到着していた。
「あ、もう着いたんだ。あっという間」
「そうだね。とりあえず陽菜、初日お疲れ様。ゆっくり休んで」
シートベルトを外し、助手席のドアを開ける。
降りる手前で振り返り、「ありがとう。お休み」と言い車から出た。
せめてたっくんを見送ろうと立っていると、その様子を見たたっくんが口パクで何か伝えようとしている。
そこにジェスチャーも交わり、「先に入ってな」と言われていることに気づいた。
ただの幼馴染に対して、いろいろと気を利かせてくれた。
すっかり素敵な大人になった彼の部下になった私。
これから始まる生活に胸を躍らせながら、「ありがとう」とつぶやいて車に背を向けた。