【過激派刑事ドラマ】四国州

【伊方原発】

(ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!)

午後2時半過ぎに、西四国市の市役所の防災行政無線のスピーカーから恐ろしいブザー音がひっきりなしに鳴り響いていた。

西四国市の住民たちは、大パニックにおちいっていた。

原発事故から逃れるために、住民たちは三崎港や八幡浜港や松山市方面に向かって避難を始めていた。

国道197号線や378号線では、車が渋滞していた。

避難している住民たちの間で、イライラが高まっている。

オレは、犯人グループが設定した夕方5時までに電源室に仕掛けられた時限爆弾を取り除いて、処理ポイントで時限爆弾を処理すると危険なミッションを課せられた。

奴らは、夕方5時に時限爆弾をセットしている…

遅くとも夕方4時までに時限爆弾を取り除いて、処理ポイントで処理しなければならない…

遅れた場合には、原発から半径30~50キロ圏内が放射能で汚染される…

場合によっては、九州や中国地方…西日本一帯に放射能が拡散する危険が及ぶ…

オレは、極めて危険なミッションを請け負うので、もはや逃げ出すことは許されない…

今回の作戦は、犯人グループをひとり残らず排除することと南海道電力の副社長のひとり娘の救助することと電源室に仕掛けられた時限爆弾を処理することの3つである。

作戦には、州警のSAT部隊7000人に加えて、善通寺の陸上自衛隊1500人と大分県と近畿地方と東海地方の陸上自衛隊合計4000人を投入する他、岡山県の陸上自衛隊の危険物処理部隊300人を投入して、闘いにいどむ。

自衛隊は、急きょ空いている駐屯地の人員を補充するために予備自衛官1万人に出動命令を下して、不測の事態に備える。

防災行政無線のスピーカーから恐ろしいブザーが鳴り響いている中で、オレは出撃の準備を整えていた。

この時、オレはオノさんからトカレフ対応の防弾防刃チョッキに着替えて下さいと言われた。

オノさんは、オレにトカレフ対応の防弾防刃チョッキを差し出したあとこう言うた。

「達雄さん…奴らはトカレフを持っているので、トカレフ対応のチョッキに着替えて下さい。」
「よし分かった…」

オレは、トカレフ対応の防弾防刃チョッキに着替えた後、ナベから受け取ったマシンガンと陸上自衛隊から調達した銃火器類を受け取って、重点的に装備した。

装備完了後、戦場へ向かうオレにナベはこう言うた。

「達雄さん…絶対に生きて帰って来て下さい。」
「分かっているよ…オレはそう簡単にはくたばりはしないよ。」
「達雄、行こうか。」
「磯原さん。」

オレは、磯原さんと一緒に伊方原発の敷地内に入った後、電源室に向かって突進して行った。

急がないと…

時間がない…

時計のはりは、午後3時になっていた。

遅くとも午後4時までに電源室にたどり着きたい…

オレと磯原さんが、1号機付近にたどり着いた時であった。

(ビュー!!)

危ない!!

奴らが手榴弾を投げてきた!!

(ダダダダダ!!ドカーン!!)

オレは、マシンガンで手榴弾を撃破した後、すかさずナイフを投げた。

(グサッ!!グワーッ!!)

この時、危険ドラッグの中毒症の犯人グループの男がナイフで刺されて死んだ。

「オドレ田島組!!ワーッ!!」

(ズダダダダダダダダダダ!!)

怒り狂っているオレは、戦闘モードに変わっていた。

そしてここから、決死の闘いが幕をあけた。

(ズダダダダダダダダダダ!!ズダダダダダダダダダダ!!ドキューン!!ドキューン!!)

この時、州警のSAT部隊も犯人グループとの銃撃戦を開始した。

オレのミッションは、電源室にしかけられている時限爆弾を午後4時までに取り除いて処理ポイントである海岸まで運んで、時限爆弾を処理することである。

SAT部隊は、副社長のひとり娘の救助に向かっていた。

善通寺の陸上自衛隊の部隊は、SAT部隊が動けるように援護射撃をしていた。

オレと磯原さんは、銃撃戦が繰り広げられる中で、午後4時までに電源室に行かなくてはならない。

犯人グループが激しく抵抗をしているけん、思うように前へ進めない。

そうこうして行くうちに、午後3時半になっていた。

戦闘開始から30分後に、マシンガンの弾薬が切れた。

「磯原さん!!スペアのマシンガンを!!」
「えっ!?」
「はよせえや!!時間がない!!」
「わっ、分かった!!」

オレは、磯原さんからスペアのマシンガンを受け取った後、再び銃撃戦を再開した。

(ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!)

防災行政無線のスピーカーから恐ろしいブザー音がひっきりなしに鳴り響いている中で、銃撃戦に苦戦をしているオレと磯原さんはやっとの思いで電源室に近づいて来た。

しかし、犯人グループの男たちが激しく抵抗を続けている。

あと一歩で電源室に近づくところで、激しい銃撃戦にさえぎられている。

どうすればいいのだ…

時計のはりは、とうとう4時になった。

電源室に近づく一歩手前に来た時に、犯人グループの男たちがさらに激しく抵抗していた。

(ブーッ!!ブーッ!!ブーッ!!ズダダダダダダダダダダ!!ドキューン!!ドキューン!!)

何てこった…

電源室はすぐそこだと言うのに…

思うように動くことが出来ない…

夕方4時10分頃であった。

マシンガンの弾薬が、また切れたようだ。

「達雄!!スペアのマシンガンだ!!」
「よっしゃ!!オラ田島組!!ワーッ!!」

オレの怒りは、最大級に達していた。

急いで電源室に行かないと時間がない…

気持ちがひどくあせっていた。

夕方4時20分頃であった。

磯原さんが、銃で撃たれて倒れた。

「磯原さん!!…オドレ!!よくもオレのカラオケ仲間を!!ワーッ!!」

(ズダダダダダダダダダダ!!)

怒り狂っていたオレは、周囲にいた犯人グループの男たちに激しくマシンガンをうちつけて、ひとり残らずに排除殺した。

オレは、急いで銃撃で倒れた磯原さんの元へ行った。

「磯原さん!!磯原さん!!」

磯原さんは、オレの呼び掛けに対して弱々しい声で言うた。

「達雄…達雄…」
「磯原さん…」
「達雄…早く行け…電源室に急いで行け…電源室はすぐそこだ…早く行かないと…電源喪失…」
「磯原さん…」
「達雄…お前と一緒にカラオケを歌えてよかった…お前…いろんな歌を歌っていたなァ…もう一度…お前と一緒に歌いたかった…アリスの『冬の稲妻』を…」
「磯原さん…こないなところで死んだら終わりや!!死なないでくれ!!もう一度…もう一度一緒に…カラオケを歌おうよ…」
「達雄…時間がない…急げ…」

磯原さんは、オレにこう言い残した後、息を引き取った。

「磯原さん…磯原さん!!」

磯原さん…

オレの目の前で…

何でだ…

(ブーーーーーッ!!ブーーーーーッ!!ブーーーーーッ!!)

この時、防災行政無線のスピーカーから聞こえてくるブザーがより強烈な音に変わっていた。

急がないと!!

今は、一刻を争う事態なのだ!!

オレは急いで電源室に入った。

(ズダダダダダダダダダダ!!)

この時、電源室に犯人グループの男3人が隠れていた。

オレは、マシンガンで応戦した。

3人の男を倒した後、オレは電源室にしかけられていた時限爆弾を取り除いた。
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