な、ない!【奈菜と南雲シリーズ①】
(は、恥ずかしすぎる………)
真っ赤になっていることが一目瞭然な顔を伏せて、「やっぱりやめます」と言おうとカウンターのスイーツに手を伸ばした時―――
「これも一緒にお願いします」
低い声と同時に、目の前をブラックコーヒーの缶が横切り、コトリと音を立ててスイーツの隣に置かれた。
斜め上を振り仰ぐと、よく知った顔が。
「え、な、南雲!?」
「おぅ、お疲れ。あ、支払いはこれで」
南雲はICカードを店員に向けて持ち上げると、レジのカードリーダーに当てた。
ピロンと音がして店員がスイーツを小袋に入れているうちに、彼は缶コーヒーを横から攫うように掴むと、そのまま出入り口の方へ向かって歩いていってしまった。
「ちょっ……」
店員が差し出した小袋を慌てて受け取って、その後ろ姿を追った。
真っ赤になっていることが一目瞭然な顔を伏せて、「やっぱりやめます」と言おうとカウンターのスイーツに手を伸ばした時―――
「これも一緒にお願いします」
低い声と同時に、目の前をブラックコーヒーの缶が横切り、コトリと音を立ててスイーツの隣に置かれた。
斜め上を振り仰ぐと、よく知った顔が。
「え、な、南雲!?」
「おぅ、お疲れ。あ、支払いはこれで」
南雲はICカードを店員に向けて持ち上げると、レジのカードリーダーに当てた。
ピロンと音がして店員がスイーツを小袋に入れているうちに、彼は缶コーヒーを横から攫うように掴むと、そのまま出入り口の方へ向かって歩いていってしまった。
「ちょっ……」
店員が差し出した小袋を慌てて受け取って、その後ろ姿を追った。