溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
どうやら16歳になったら結婚出来るようで、シンデレラのようにどこかの王子様に、迎えに来てもらうことを夢見ていたんだろう。


だからだ。その子が16歳になった時に、俺が迎えに行く……そんな思いで言ったんだ。


なんてキザな俺。


しかも、その子が16歳なら俺だって16歳で、迎えに行ける年齢じゃないっていうのを知ったのは、随分さきのこと。


その相手が……まさか、小春だったのか?


「うそだろ……」


俺は放心状態でベッドに倒れこんだ。


小春には、最初から他の女に感じる様な嫌悪がなかった。


それは、同居人だからでもなく。


メシがうまいからでもなく。


小春だったから……?


あの時感じた雰囲気が、そっくりそのまま残っていたから……?


──ゴゴゴゴゴッ……!


その瞬間、ものすごい地響き鳴ったかと思ったら、パッと部屋の灯りが消えた。
< 178 / 326 >

この作品をシェア

pagetop