溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「真希、分かってる? 相手はあの永瀬だよ。なーがーせ。そんなことあるわけないじゃない」


蘭子ちゃんは長い髪を払いながら、絶対にそんなことないというように鼻で笑う。


「そ、そうだよっ」


私も強くうなずく。


学校での朔くんを見ていれば、そう思うのは自然だよね。


私だって、びっくりしてるんだから。


──と。


「小春、これ返し忘れてた。さんきゅ」


スッと、目の前に英語のノートが差し出された。


えっと……これは確かに私のノートだけど……。


ゆっくり顔をあげると、そこにはまさかの……朔くん!?


ひいっ!


私は心臓がドキンッと跳ね、固まる。


ちょ、ちょっと待って!


なんで普通に話しかけてくるの! しかも、名前で呼んだ!?


ここ、学校なんだけど……!!
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