溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「なにそれっ、明らかに嫌がらせじゃん、許せない!」


「永瀬と同居してること、バレたとか?」


蘭子ちゃんの真剣な瞳に、私は首をふる。


「それはないはず。でも……この間、私に話しかけて来たでしょ?」


ノートを返してきた時の話をすると、真希ちゃんはパチンと手を叩いて。


「それだよそれ! ったく、今まで散々女子を毛嫌いしてたくせに、急に小春にあんなに親しくしたら誰だってわかるっていうの。自分の人気、自覚しろって話だよ」


プリプリと怒りを露わにする。


「ファンクラブの奴らが結託して、小春に嫌がらせしてるのは間違いなさそうね」


「小春、これから出来るだけひとりで行動しないで。うちらがぴったりついて、絶対に嫌がらせなんてさせないから!」


「うん、ありがとう」


ひとりで抱えていたモヤモヤが、すーっとはれていく。


もっと早くふたりに相談していればよかった。


それから二人は、私がどこへ行くにもついてきてくれて、場当たり的な嫌がらせは無くなった。
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