溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

『もしかしたら、またそいつらが絡んでるのかも』


『とにかく、今から探しに行ってくる』


『私も一緒に探しに行く!』


金子はそう言ったが、外は雨。


俺がひとまず学校に行くと言い、金子には自宅で待機してもらうように伝えた。


学校にはまだ灯りがともっていた。


通用口から中に入らせてもらうと。


「うそだろ……」


上履きだけが並ぶ靴箱で、小春の靴箱には外靴が入ったままになっていた。


まだ校内にいるのか?


先生に事情を話し、校内をくまなく見て回る。


それでも小春は見つからない。


でも、この校舎のどこかにいるはずだ。


焦りだけが募ってく。俺のせいで、小春がひどい目に遭っていると思うと、胸がかき乱されて狂いそうになった。


いつも目覚めると、俺の胸のなかで顔を真っ赤にしている小春。


朝一番に小春を感じられて幸せだ……なんてことは、口が裂けても言えねえ。
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