溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「だって……朔くんに彼女さんがいると思って……だから、私……諦めなきゃって……」


「えっ? それ、どういう意味?」


「だから、邪魔しちゃいけないと思って……」


もう、頭の中がこんがらがっちゃってる。


自分でも支離滅裂だって分かってる。


「ねえ、小春。ゆっくりでいいから」


そんな私に、優しく促してくれる朔くん。


「うん……」


ふう……と深呼吸を何度か繰り返したあと、私は朔くんを見つめて言った。


「私っ……」


「うん」


「朔くんのことが」


「……うん」


「……好き……っ」


私がそう言った瞬間、シーツ越しに光が差し込んできた。


通り雨だったのか、いつの間にか雨は止んでいて、その光は私たちを明るく照らす。


「え、マジで……?」


驚きに目を見張る朔くん。
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