溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。

「そ、そんなぁ……」


頬を膨らませて困ったような顔をする。


そんな顔もたまらなく可愛い。


「……朔くんのイジワル……」


そう言って、拗ねる顔も。


俺は我慢できずに、小春の唇にキスをした。


「んっ……、そ、そろそろ着替えないと」


耐えられなくなったのか、小春は俺からするりと逃げて行った。


これから日の落ちていく時間に向けて、ふたりだけの甘い時間……とはいかない。


これから小春は夏祭りに出かけるんだからな。


「そうだな。準備出来たら呼んで」


名残惜しく髪にキスを落としてから、俺はいったんリビングを後にした。


それから約30分後……。


「朔くん、お願いします……」


呼ばれてリビングへ行けば。
メイクと髪のセットを終え、浴衣を体に羽織ったままの状態でうろうろしている小春。


「な、なんかごめんね……?」


「いーって」
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