溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
「わ~、嬉しいわ~。朔ったらそういうことなーんにも言ってくれないから」


「ホテルの朝食バイキングみたいですよね」


「やっだ~小春ちゃん、べつに普通の朝ごはんよ~」


なんて言いながらも、香織さんはすごくうれしそう。


「だよな、フツーだよな」


そこへ、不穏な声を挟んでくる永瀬くん。


「ふんっ、ギリギリまで寝てる人に言われたくありませんー」


「うるせーよ」


「はあっ? ありがたいと思いなさいよねー」


「はいはい。感謝してます」


永瀬くんは、学校では女子と話さないわりには、お母さんとは普通に喋っている。


それに、男子に抱いていたイメージとちょっと違う。


女の子にはいい顔して、お母さんには反抗的……な人が多いと思っていた。


永瀬くんも、お母さんには反抗的だけど、悪意のあるものじゃないし。
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