私のご主人様~ifストーリー~

「お前飲めねぇんじゃなかったのか」

「え?」

と、思い出す。

永塚組での最後の夜、お父さんから契りで飲まされたお酒で酔って醜態を晒してしまったことを。

「酔わせようとしないでくれます!?」

「ッチ」

季龍さんめ、何てことしようとしてるんだ。

「琴音ちゃん、お酒飲めるようになったの?」

ビール片手に近くに来てくれた奏多さんと森末さんが会話に加わる。

「そんなには飲めませんよ。楽しむ程度には慣れましたが」

「ははっ残念でしたね、若。大方、腕の中にしまっておく口実作りでしょう」

森末さんに言われたことが図星だったのか、ふてくされるようにお酒を煽る季龍さん。

そんな姿が可笑しくて笑ってしまうと、軽く睨まれた。
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