未明の三日月 ~その後

「最近 詩帆ちゃん 可愛くなったからなあ。」


佳宏は 嬉しそうに微笑む。
 
「うん。だいぶ 女の子らしくなったよね。」

意思がはっきりしてきた詩帆は、赤ちゃんから 幼児になり始めていた。
 


「だんだん 美咲に似てきた。」

と言って 苦笑する佳宏。
 

「えー。顔は佳宏 そっくりだよ。」


美咲が 上目使いに 佳宏を見上げると、佳宏は 優しく笑って 浴衣の胸に 手を滑り込ませた。
 


「佳宏。」

美咲は 甘く佳宏を睨む。
 

「いいの。やっと 俺に返してもらえたんだから。」


詩帆に お乳をあげている間、佳宏は 美咲の胸に触らなかった。

甘く這う指に、美咲は 狂おしいほど反応してしまう。



「佳宏。」


美咲の声は、甘い吐息になっていく。
 
 

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