【女の事件】とし子の悲劇・2~ソドムの花嫁
第54話
それから2日後のことであった。

ヒサナガさんが菜園場町(さえんばちょう)の酒場街の露地裏で発生した乱闘事件で亡くなったので、ヒサナガさんの家にて告別式がおごそかな雰囲気で執り行われていた。

アタシは、高知市内に出掛けていたので、ヒサナガさんの家に弔問に行くことをすっぽかした。

次の日の朝のことであった。

うちの食卓に、アタシとダンナとまさおさんだけがいた。

ふじおさんが帰ってきていないので、ダンナはあつかましい声でふじおさんはどこへ行ったのかと言うた。

アタシは『友達の家にお泊まりに行っている。』と答えてその場をしのいだ。

ダンナは、ブツブツ言いながらココアをがぶのみした。

その後ダンナは、ニコニコした表情でまさおさんに大学生活のことを話した。

「まさお、大学で好きなカノジョはできたのか?」
「うん、できたよ…今度の休みにとうさんとかあさんに紹介するよ。」
「うちに連れてくるのだな…とうさんとかあさんは楽しみにしているよ。」

このあとまさおさんは大学へ、ダンナは職場に行った。

しばらくして、アタシは家の前をほうきを使ってそうじをしていた。

この時、近所の奥さまがアタシの元にやって来てアタシに凄んだ。

「とし子さん!!」
「あら奥さま…おはようございます。」
「おはようございますじゃないわよ!!今日もまたあんたにクレームを言いに来たわよ!!」
「クレームって…」
「とし子さん!!昨日ヒサナガさんの告別式があった日、あんた弔問に来ていなかったわね!!告別式が行われていた時間帯に、あんたはどこへ行ってたのよ!?」
「どこって…高知市内に行ってた。」
「あんたね!!キンリンの住民の不幸ごとをすっぽかして、市内へ遊びに行ってたのね!!」
「違います!!アタシは夕食の材料の買い出しに行ってのです!!」
「だったら!!告別式が終わってからにすればよかったのよ!!」
「奥さま!!アタシはウソは言うていません!!今夜はダンナが疲れて帰ってくるからお肉を焼いてあげようかなと思って買い出しに行ったのです!!急いで帰ろうと思っていたら、ワインを買うのを忘れたので、お酒の量販店を探していたのです…道に迷って迷って…気がついたら告別式の時間帯を過ぎていた…わざと忘れたわけじゃないのです!!」
「またそんなみえすいたウソをならべているわね!!」
「ウソじゃありません!!」
「ふーん、そうは見えないわよ…まあいいわ…話を変えるけれど、ここ数日の間ふじおさんが帰っていないわね!!」
「ふじおさんは、お友達の家にいるけど…」
「ウソばかり言われん!!すみおさんには友達なんかひとりもいないわよ…」
「そんなことはありません!!」
「だったら、ふじおさんの親しい友人の名前を知っているかしら!?」
「えっ…」

奥さまに突っ込まれたアタシは、ふじおさんの友人の名前を答えることができなかった。

奥さまは、アタシに対してきつい声で『そらみたことか…』と言ってから、こう言うた。

「とし子さん、あんたの再婚は、確か7度目だったわね。」
「そうだけど…」
「ダンナさんは再婚は初めてで、前の奥さまとは20年以上夫婦関係は続いていたわ…あんたは何で7度も離婚と再婚を繰り返したのよ?」
「どうしてって…6度とも相性が合わなかっただけよ。」
「またそうやってウソついているわね…あんたの性格が悪いから結婚生活が長続きしないのよ!!あんたが中学の時に元カレと別れ話がこじれてひどいもめ事を起こしていたよね!?」
「やめてください!!アタシの過去をほじくらないで!!」
「ほじくりたくもなるわよ!!とし子さん!!ダンナの無関心がひどくなっているからあんたも知らないうちに無関心になっていると言うことに気がついていないわねー…まあいいわ、あんたとダンナの無関心が原因でふじおさんは追い詰められて行くばかりよ!!そのことに気が付きなさいよ!!」

近所の奥さまは、アタシに思い切り凄んだ後その場から立ち去った。

頭がサクラン状態におちいったアタシは、大パニックを起こした。
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