先輩、私だけに赤く染まって

公園から私の家までは三分もかからない。


先輩との関係を崩したくない私は、結局何も言えないまま家の前に着いてしまった。


「じゃあまた学校でね。ちゃんとゆっくり寝るんだよ」


和樹のこともあったからなのか、先輩は優しくそう言って来た道を戻って行った。


最近、先輩と別れた後にはいつも悶々としている気がする。


それだけ私の心は先輩に囚われ始めているんだ。


机の上に飾られているミルクティーがいい証拠だ。


こんなものを大事に取っておいてしまうほど、私たちの関係には形がないから。


ミルクティーを睨んだって何も答えは出ない。


妹から脱却するには、どうしたらいいんだろう。


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